ブログ

The Hague International Model United Nations (ハーグ国際模擬国連)

The Hague International Model United Nations (ハーグ国際模擬国連)The Hague International Model United Nations (ハーグ国際模擬国連)


世界から集まった学生たちが、国連と同じ方式で世界の問題を討論する模擬国連。KLASはオランダ・ハーグで開催される模擬国連に毎年参加しています。今年は1月28日〜2月2日に開催され、KLASはフィンランドの代表を務めました。

学内の選考をくぐり抜けた生徒たちは夏から準備を始め、フィンランド及び国連組織、今年の会議のテーマ「教育による市民社会の構築」、その他の国際問題についてリサーチを行い、担当する分科会へ持ち込む政策提案を準備しました。

これらは膨大な作業で、毎年、生徒は皆、どんなに準備をしても、十分であったとは感じていませんが、それでも全力を尽くして、難題に立ち向かい、この経験から貴重な何かを学んでくれたことを願っています。参加した生徒の感想を紹介します。

■一生の思い出
11年生(高2)女子


 模擬国連は私自身を大きく変えてくれた行事の1つです。約1年間の事前学習は本当に大変で、何度も泣きたくなりました。部活や楽しい行事が犠牲にされ、本当に辛くて自分を見失う日々が毎日でした。しかし、今思うとその辛い日々が私を成長させてくれて、この行事をより思い出深いものにしてくれたのだと思います。そして、ワトソン先生やチームの仲間がいなかったら私は確実に途中で諦めてしまっていました。


 ハーグでの1週間は想像以上のものでした。1日目の会議は、初めて会う人に囲まれ、わからないことがたくさんあり、1日中緊張していました。椅子に座った瞬間、頭が真っ白になりました。しかし、友達を作らないと何も始まらないと思い、前後左右にいた人全員に英語で話しかけてみました。すると、みんな優しく話を返してくれ、少しずつ会場の雰囲気に慣れていくことができ、緊張もほぐれていきました。2日目以降からはたくさんの国際問題に対するアイディアを聞いたり、少し話したり、お昼ご飯を国籍の違う人と食べたりして、普段ではなかなかできない特別な時間を過ごすことができました。会議が終わるとKLAS生と美味しいご飯を食べ、つらい思い出は一気に吹っ飛ばされました。 
 
 5日間の会議は、楽しいことばかりではなく、何回も失敗し、恥ずかしい気持ちになることが多々ありました。自分の英語が通じないこともあれば、何を話しているのか聞き取れないこともありました。しかし、周りの友達が助けてくれ、優しく教えてくれました。そして、KLASの先輩や友達が励まし、背中を押してくれたおかげで私は乗り越えることができました。今回の会議では、国際問題に目を向けて知識を少し増やすことができたり、積極的になることができたり、と良い点もあれば、後悔をしたり、100%の力を出せなかったなど悪い点もありました。しかし、めったにできない経験を素晴らしい仲間とできて本当に嬉しかったです。そして、辛い1年間を乗り越えることができたという達成感は言葉では表せないほどに大きいです。今回の思い出は、私にとって一生忘れることのない大切なものになりました。

■夢の終わり
12年生(高3)女子


 この模擬国連は長い間、私の目標でした。

 中学三年のとき、ある友達がKLASのパンフレットを見せてくれたときに、私はすぐに模擬国連についての記事に目を惹かれました。世界中から三千人以上の生徒が集まって、それぞれの国を代表して会議をする。なんて楽しそうなイベントだろう、行きたい、参加したい!こう強く思いました。入学試験の面接でも顔を真っ赤にして模擬国連への熱意を語りました。

 KLASに入学してからも、私の生活の大半は模擬国連のために回っていたと書いても過言ではないと思います。 特に、合計80ページ以上にもなる事前準備レポートの 締め切り前に、夜明け前からこっそり毛布をかぶってベッドの中で執筆したのも一度や二度ではありません。

 でも、私はどんなに準備が大変でも、本番のハーグで過ごす一週間は何物にも代えがたい経験だと信じています。五つの大陸、文字通り「全世界」から集まった高校生達と一緒に、世界でいま起きている問題についての解決策を何日もかけて話し合う、なんていう経験は、普通ではとてもできないことです。ついこの前、ハーグで、ワールドフォーラム国際会議場にいたことが、もういまは夢のように感じられます。あの場所で、全く違うところで、違う環境、違う価値観で育ったたくさんの生徒達の前で、一国の大使として、自分自身の意見を胸を張って発表できたことは、私の一生の思い出になるでしょう。そして、周りに比べて明らかに英語が不自由な私が五日間の会議を心から楽しめたのは、監督のワトソン先生を含むたくさんの人たちのおかげです。特に、スピーチの原稿をチェックしてくれて、助言をくれて、壇上でも私を助けてくれて、会議中緊張しっぱなしの私をいつも勇気付けてくれた隣の席の大使、ソフィアには感謝してもしきれません。

 いま、私の最後の模擬国連会議が終わったという事実に向き合うのが、本当に辛いです。約4年間、私の夢だったものが、幕を閉じました。初めてこれを知ったとき、こんな日が来るとは予想もしていませんでした。でも、夢を叶えさせてくれた全ての人に、ありがとうを伝えたいです。


■最後の模擬国連
12年生(高3)女子


 私は約2年間、ハーグ模擬国連に二回参加するためにこのチームに入り、準備をして来ました。社会科目が大の苦手な私がこのメンバーに入れたこと自体が奇跡だと最初は思っていました。しかし、自分の興味のある分野に特化して、レポートを複数書き、自分の意見をまとめる行程にどんどんのめり込んでいる私がいたのも事実です。

 去年はKLASのメンバーに助けられ、会議場でも色々な人に支えられました。その経験を活かして、今年は、新しく入ったメンバーを少しでも支えられたらと思っていましたが、真面目で優秀なメンバーばかりだったので、そんな必要もないくらいでした。

 会議場で一番印象に残っているのは、初日のカフェテリアでの出来事です。列の前に並んでいる人に見覚えがあり、目が合ったと同時にお互い「あっ!」という感じで去年からの再会を果たしました。その人は、去年、私の作った決議案を提出するために最も一緒に手伝って、支えてくれた人でした。彼は今年、"admin"という会議場を運営する側になっていましたが、お互い去年のことを覚えていたことが嬉しかったです。このように、2年参加すると、1年前のことを懐かしんだり、また新しい発見や経験をしたりすることができます。

 世界各国から生徒が集まり、自分の意見を発表するという機会はなかなかない、貴重な体験であると思います。だからこそ、2年連続で参加することができたことは本当に喜ばしいことです。会議場での経験は辛く、後悔することなどもないわけではありませんが、積極的に手をあげ、発言の機会を得たことは今後の自分の自信にも繋がるのではないかと思っています。最後に、大変でもやりたいことを優先することを理解してくれた両親、こんな私をチームに2年も入れさせてくださったワトソン先生、そして一緒に課題をやり抜き、支え合ったチームの皆に感謝したいと思います。