クモリンピック2020
今年のクモリンピック(体育祭)は、急遽、大幅に規模を縮小して実施されました。この日のために様々な準備を進めてきた生徒達にとっては、やるせない気持ちだったと思いますが、それでも、制約の中、全力でダンスを披露してくれました。
直前まで実施の形態を模索し続け、準備に奔走してくれたブラックチーム(クモリンピック実行委員会)から1名と、イエロー・ブルー・レッドの各チームから1名ずつの感想を紹介いたします。
■ブラックチーム
12年生(高3)男子
先日、無事にクモリンピックが終わりました。今年はクモリンピック実行委員会委員長をやらせてもらいました。
今年のクモリンピックは、本番直前にコロナウイルス感染拡大防止策がスイス政府から発表され、例年のように体育館を使用することはできませんでした。そのため、ブラックチームは、本番前日の夜まで先生方といっしょに本番について話し合いをしました。
話し合った結果、ダンスだけを学校のアッセンブリーホール(講堂)で行い、観客の人数には制限を設け、状況を見て、可能であればターム5にクモリンピックを持ち越すことになりました。ブラックチームには各チームリーダーにこのことを伝えるのはすごく辛い思いがありました。ブラックチームは今までの各チームの練習も見てきましたし、そして当日に向けてのモチベーションを崩したくないという気持ちもありました。しかしながら伝えるのもブラックチームの仕事なので、各チームに伝え、本番の状況など各チームの要望を可能な限り聞き入れることにしました。
全校生徒は、悔しい思いがありながらも受け入れてくれました。 当日は、カフェテリアで、生徒だけではありましたが、選手宣誓を行い、各自やれることはすべて行う精神で全力を尽くしました。本番のダンスは各チーム、壮大なものでした。先生方にもお見せすることができて本当によかったです。
今年のクモリンピックは異例続きで、過去の資料など参考にできるものが少ない中で、自分たちが今できることを常に考えさせられました。自分の臨機応変さ、精神力が試されたと思いました。そんな中、私は「いろんな人に支えられて成り立っている。だからそれに応えたい」という気持ちがありました。今回のクモリンピックは決して一人では成功させることはできませんでした。ブラックのチームメンバー、リーダーのみんな、先生方、そして保護者のみなさんの協力、応援があったからこそ、この状況下でクモリンピックを成功させることができたと思います。
保護者の皆様、応援本当にありがとうございました。
■イエローチーム
11年生(高2)女子
私は今年のクモリンピックでイエローチームになりました。私はKLASのイベントで何が一番好きかと言われたらクモリンピックと答えるくらいクモリンピックが大好きです。なぜなら、他の学年の生徒とたくさん関わることが出来たり、ダンスが好きな私にとって、みんなで1からダンスを作ったりするのがとても楽しいからです。今年も去年と同様、練習から本番まで、チームの雰囲気が本当に良くて、練習に行くのが毎回楽しみでした。
そんな楽しみにしていたクモリンピックですが、クモリンピックが行われる前日、クモリンピック実行委員長から、「明日のクモリンピックがスポーティングセンターで実施できなくなった」と言われ、アッセンブリーホールでダンスだけをすることが決まりました。スポーティングセンターでしたかったので本当に悲しくて悔しくて、言われた後は涙が止まりませんでした。しかし、さすが12年生ですね。自分たちの最後のクモリンピックがスポーティングセンターでできないと言われ、一番悲しいはずなのに、私たち11年生、10年生を励まし、雰囲気を盛り上げてくれました。
当日、他の2チームと先生方にダンスを披露するために合計3回踊りました。コロナのせいでこんな形になってしまいましたが、やるからには全力の笑顔で踊ろうと思い、最高に楽しく踊ることができました。また、マスクをつけながらダンスをしたのですが、マスクをしていてもわかるほどの笑顔で、全員が心の底から楽しそうに踊っているのを見て、“KLAS生の対応力ってさすがだなあ“と思いました。
今回のクモリンピックでは本当にたくさんのことを学ぶことができました。本当にイエローチームで良かったと心から思います。例年とは違う形でのクモリンピックでしたが、かけがえのない最高に素敵な思い出になりました。そして、私も来年、どういう形でクモリンピックが行われるかわかりませんが、後輩がそんなふうに思ってくれるクモリンピックを、全力で作りたいです!
■ブルーチーム
10年生(高1)女子
私は今回、初のクモリンピックを経験した。私はブルーチームの一員として参加した。ブルーチームでは練習が始まった当初から、話し合いはずいぶんスムーズに進んだ。ダンスのテーマ決めでは他のチームと重なるのではないかという懸念もあったが、無事「サーカス」に決定した。
その中で、バレエ経験者が多いからそれを取り入れようということになった。現役でバレエを続けている私は、能力を生かせるチャンスだと思い、本格的なダンスを披露するパートでバレエをやりたいとメールを送った。しかし後日、私はリーダーから送られてきたメールに目を疑った。サーカスに反対する住民の役であるペアダンス(2人1組で踊るパート)の、セクションリーダーを命じられていたのだった。とたんに私は不安になった。そのパートで経験者のみで構成されるグループの一員として踊ればよいと思っていたからだ。何より、10年生の私がリーダーでいいのか、私で務まるのか、ということが不安でならなかった。しかし最終的には、せっかく任せてくれたのだから、と引き受けることにした。
案の定、練習で苦労したことは多かった。初心者も多かったため、私の価値観だけでの振り付けは危険だと判断し、11年生の経験者と2人で協力して振り付けを考え、みんなでたくさん練習した。
コロナウイルスのため、クモリンピックは、当初予定されていた形では実施できなかったが、思い出に残る、最高に楽しいものとなった。振り付けがギリギリだったため不安な箇所もあったが、最終的にブルーチームのダンスはうまくいったし、セクションのダンスも楽しめてよかった。ブルーチームはこれまで最下位だったと聞いていたが、今年のダンスは、評価はなかったものの、自分たちの満足のいくものができてとても嬉しかった。
■レッドチーム
11年生(高2)女子
私は、スイスでの少し変わった体育祭を二年経験しました。一年前の体育祭も、他の日本の学校と比べたらすごく変わっていて、驚きがたくさんあったのに、今回のクモリンピックはもっと個性的でした!
なぜかというと、ホールで、しかも照明までついて、その上、観客はものすごく近くで見ることができるので、何回見ても、まるで初めて見たかのように目を輝かせて見ることができました。ブルーチームのダンスはまさにサーカスにいるような気分を味わえました。そして、イエローチームのダンスはもう、躍動感が並外れていました。こんな体育祭、他にありますか? 絶対にないです。
こうなったのはコロナのおかげですが、ここをポジティブに捉えると、こんなクモリンピックは滅多にできません。私のチームはレッドでしたが、リーダーには感謝しきれないほど感謝があります。これは自分のチームリーダー、ダンスリーダーだからということではなく、二人のクモリンピックでの人柄や行動力は本当に素晴らしくて、「ついて行きたい!!」と思えるものでした。やっぱり、リーダーになる人は、みんながついていきたくなるような人でなくてはいけないのだなと、まさにこの二人はぴったりだと思いました。私は、11年生でレッドのチームになったことに誇りを持てました。そしてレッドで本当に良かったです!
クモリンピック当日、全員が3つの色に別れて競い合うのですが、このスイスの体育祭の良さは、違うチームを全力で声が枯れ尽きるまで応援し、楽しみ合うところです。こんなに素敵な光景を三年間見て、できるのはここでしか味わえないと思います。こんな状況でも、ここまで盛り上げることのできるKLAS生ってすごくないですか。リーダー達、ブラックや生徒みんながいての最高のクモリンを作ることができたと思います。私はこれから、何事も終わった後に後悔しないよう、いろんなことに全力を尽くして頑張りたいと思います!