シニアトリップ/スイス文化旅行
10月、12年生(高3)は3泊4日でイタリアのヴェネチアへ、10年生・11年生(高1、高2)は4つのグループにわかれ、2泊3日でスイスの各地(ジュネーブ、ベルン、チューリッヒ、ルッツェルン)へ文化旅行に出かけてきました。各地では英語によるガイドを受け、聞き取りが少し大変だったようですが、それぞれの都市の歴史や文化などに触れ、生徒たちは異なる価値観や多様性を学ぶ有意義な時間を過ごしました。
■日常のなかで
12年生(高3)女子
誰もが一度は行きたいと願う街、ヴェネチアは本当に漫画にでてくるような街でした。
ヴェネチアで過ごした3泊4日は一瞬にして過ぎていきました。しかし、その一瞬の中にはいくつもの初めての経験や感動がありました。そんな中でもっとも印象的だったのは、最終日の朝にいつもより少し早く起きて散歩に行ったことです。
少し肌寒い空気を感じながら、まだ日が昇っていない少し暗い街をゆっくりと歩きました。まだヴェネチアの街は眠っているように感じられましたが、焼きたてのパンの香ばしい香りがする方へと足早に歩いて行くと、そこは出勤前の人々で賑わっていました。
朝食をまだ食べていない私にとってその店に入らない理由などありませんでした。しかし、その店の中にいる客は誰一人としてパンを注文せずコーヒーだけを頼んでいるのでした。私はそのことに驚いたのか、そのままパンを買わずにその店の中を一周しただけで出てしまいました。
そして、あまりのひと気のない静かな街を歩いているうちに日の出の時間がきました。それはこれまで私が見た中で一番綺麗な日の出でした。美しく輝く黄色い太陽と澄んだ水色の空の間には、真っ白な雲が浮かんでいました。少し言い過ぎと思われるかもしれませんが、それはまるで絵画のように洗礼された美しさで、言葉によって表わされるのがもったいないほどのもので、夢なのかと疑ってしまうほどでした。日常の中で不意にこんなにも美しいものがあるのだと驚きました。
最後の最後に貴重な体験をすることができたことをとても幸せに思うと同時に、あと残りわずかですが、日々の小さな思いがけない“美しさ”を、レザンでも多く見つけていけたらいいなと思いました。
■母の目と創造
10年生(高1)女子
私はスイスカルチャートリップでスイスの首都でもあるベルンに行きました。私たちはベルンの色々な所へ行きましたが、その中でも特に印象に残った場所を二つ紹介します。
一つ目はベルンのシンボルでもある“ツィトグロッゲ”と呼ばれている古い大きな時計塔です。ここを選んだ理由は、なぜこの時計塔がこんなにも町の人々に大切にされ、有名になったかを本当の意味で理解することができたと思ったからです。
ここへはガイドツアーで朝早くに行ったのですが、時計塔の窓からは昼間のように人が溢れ、雑然とした町ではなくひっそりとした時の流れを感じられるような雰囲気の町並みを見ることができました。景色の美しさはもちろんのこと、この景色は時計台が何百年も見守り続けてきた歴史と沢山の人の努力が積み重なってできているものなのだと考えるととても感動しました。そして私はこの景色から時計塔にじっとこの町を温かく見守り続けている母親の目のような暖かさを感じました。この暖かさがこの町の人々を思い思われてきた理由なのではないかと思いました。
二つ目はパウル・クレー・センターです。ここへ行くときに正直に言うと多くの人が興味なさげにいかに時間を潰そうかという話をしていました。ですが、そこへ着くと雰囲気が変わりました。
とあるアーティストの方が案内をしてくださったのですが、パウル・クレーの作品について説明を聞きながら実際にその描き方で自分の作品をいくつか作りました。綺麗に描こうとかではなく感情が動くまま手が動くままに書いてと言われました。それがとても楽しかったです。作品を作っている間、みんなの目がとてもキラキラしていました。パウル・クレーの作品たちには一見してわからずともたくさんのメッセージか詰まっていました。
私はこの二泊三日のトリップを通して首都ベルンに詰まったたくさんの歴史と人々の思いを学ぶことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
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