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KLASでの学び

教務部 在田 昌弘



先日、日本の大手アパレル会社で働いている 卒業生が本校を訪れてくれました。その口ぶりや顔色から今の職務にやりがいを感じ、活躍していることが窺えました。非常に頼もしい限りです。会話の中で、『ここが原点です』という言葉が発せられましたが、私はその卒業生が何を言わんとしたかったのかすぐにわかりました。KLASで学んできたことが、現在の仕事に大きく役立っている、ということを言いたかったのです。ここに来なかったら、今のような仕事に就けたとは思えない、ここで学ぶことができたからこそ、今の自分がいる、とも言っていました。わずか7文字ではありますが、KLASでの学びの真髄をついた言葉であり、その言葉の響きが印象的に記憶として留まっています。ニューヨークでの駐在経験もあり大きな仕事も任されているようですが、KLASで培ったマネージメント力や創意工夫に富んだ実行力で、今後も大いに活躍してもらいたいところです。

また、夏には、サマースクールで日本の中学生のグループがKLASへ体験学習にやってきました。本校の授業を大いに楽しんでくれたのですが、彼らにとって最もインパクトがあったのは、とても眩しく輝いて見えた在校生の存在だったようです。3日間の滞在期間中に、生徒会の生徒は、校内や街の案内、そしてハイキングの引率を担ってくれました。また、模擬国連やボランティアトリップに参加した生徒は、その活動内容を紹介してくれました。彼らのプレゼンテーションはとても立派なもので、中学生の興味を上手に惹きつけてくれました。私の方から中学生に、「生徒には、お話をしてもらう時間だけを決めて、特に細かな打ち合わせはしませんでした。プレゼンテーションの内容はすべて自分たちで考えて準備したものです。」と伝えたところ、彼らにとっては、そのことが大きな衝撃だったのでしょう。KLASに来れば、人前で格好よく、お話ができるような人になれるのだ、という印象を持ってくれたようです。

上述したような企業社会で活躍する卒業生や中学生を大きく魅了する生徒がKLASで如何にして育っているのか。

その一つとして、下級生は、部活動や様々な行事を通して、活躍する先輩たちのその姿から学び取っていることにあります。10年生の時は、とても静かで、どちらかと言うと内気だった生徒が、12年生になった途端に、ある行事の実行委員長に名乗りをあげる姿を目にすることがあります。驚きと共に、大変嬉しく誇らしい気持ちになります。多くの生徒が、先輩たちの活躍を見て自分もやらなくては、という思いになります。あのような格好いい先輩になりたい、という憧れから、自分を鼓舞して頑張る。そしてその姿を下級生から見てもらっている。脈々と続く伝統のようなものがKLASに息づいています。

もう一つとしては、KLASでは、常日頃より授業で意見を求められる場面が多々ありますが、これらの指導が大きく活きていると考えます。思いつきで言葉を発するのではなく、しっかりと考えて意見を述べる。聞き手がより理解しやすくなるように、筋道を立てて自分の考えを述べる。大変大切なことです。また、プレゼンテーションをはじめとした多くの発表の機会においては、自分で調べたものを整理し、考察して、自分の意見を発出するという過程が必要となります。在校生や卒業生を見ているとKLASでの学びが生徒にとっての大きな自信と力につながり成長に結び付いていることがわかります。

生徒には、教科書から学ぶ知識だけに留まらず、広く深く学んで教養を身につけ、様々な活動を通じて、企画力や実行力やマネージメント力を学び、世界に羽ばたいて大いに活躍してもらいたいと思っています。