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サマー・イン・レザン(SIL)プログラム

国際教育部 Cindy Hansen

【日本語意訳(原文は英語)】

12年生(高3)にとって夏学期は他とは異なる特別なタームです。大学の夏季プログラムに参加する生徒もいますが、ほとんどの生徒は「サマー・イン・レザン(SIL)」に取り組みます。これは、国際的な学習体験を提供することを目的としたプログラムです。

KLASは長年にわたりカナダの生徒との交流を続けてきましたが、今年は日本のほかに、さらに2つの国からの訪問生が加わりました。本校でターム1を過ごした訪問生は以下のとおりです。

• カナダからのエクスチェンジ生 5名
• 日本からの訪問生 6名
• ニュージーランドからの訪問生 4名
• タイからの訪問生 3名

SILでは、教室での学習、実践的なプロジェクト、そして文化交流を融合させた内容をおこないました。



 

<第1から4週>

10・11年生(高1、2)と同じように時間割に沿って授業を行いました。

SIL Mini Project 週4時間
毎週2つのミニプロジェクトに取り組みました。プロジェクトの内容は週替わりで、普段触れないような変わった授業に取り組みました。取り組んだプロジェクトは以下になります。
1. Chocolate:
スイスチョコレートの歴史や製造について学び、いくつかの種類のチョコレートの試食。
2. Egg-Drop Challenge
創造的に問題解決能力を駆使して、高いところから生卵を落としても割れないような装置を設計と制作。
3. Swiss Music and Yodelling
地元レザンのミュージシャンとともにヨーデルなどのスイスの伝統的な歌の習得。
4. Swiss Cheese
スイスチーズの製造過程等について学び、いくつかの種類のチーズを試食。

SIL Language 週6時間
ドイツ語、イタリア語、フランス語の内から1つを選択し、学習しました。授業では料理などの実践的なアクティビティも行われ、生徒たちは言語学習だけでなく文化も体験することができました。

SIL English and Japanese 週6時間
日本の生徒は英語を、日本以外の生徒は日本語、日本文化を学習しました。料理をしたり、浴衣を着たり、盆踊りを習ったり、楽しみながら学びました。

SIL Cultural studies 週4時間
生徒たちはペアや小グループに分かれて、世界の国や地域の文化を探究しました。また、さまざまな国のプレイグラウンドのゲームをテーマにしたコンテストを企画し、実施しました。

SIL European Studies 週4時間
ヨーロッパ諸国全般、特にスイスについて、それぞれのトピックの中から興味のある分野を選び、考察しました。例えば、古代ギリシャが現代生活に与えた影響、スイスの各州、そしてスイス全土の日常生活の側面などです。

SIL Graphic Design/SIL Science and Robotics / Film making 週6時間
以下の3つの中から選択して取り組みました。
• Graphic Design - オリジナルデジタルアートとビジュアルアート作品の制作
• Science and Robotics - コードを使ってのプログラミング、ロボット制御の習得
• Filmmaking - オリジナル短編映画の企画、撮影、編集

授業終了後の1週間、グラフィックアートの展示、ロボットのデモンストレーション、映画上映会でそれぞれ取り組んだ作品を披露し、創作活動の成果を共有しました。
4週目が終わったあとには、KLAS生5名とカナダからのエクスチェンジ生がカナダへ出発しました。KLASのエクスチェンジ生たちは、秋学期が始まるまでの3週間をカナダに滞在しました。

<第5、6週>
通常の授業の枠を超え、屋外でのアクティビティやインタラクティブなアクティビティを織り交ぜました。生徒たちはチーズを作っている小屋までハイキングし、伝統的なアルプスチーズの製造方法を見学しました。また、Bex塩鉱山を訪問したり、ヨーロッパの貿易シミュレーションゲームに参加したり、スイスの首都ベルンではインタラクティブな宝探しゲームに参加しました。

プログラムは、生徒による「私のSIL体験」というテーマの発表で締めくくられました。これは、スキル、友情、個人的な成長について振り返る機会となりました。訪問中の日本人学生の一人は次のように語りました。「コミュニケーション能力や自己管理能力など、人間性をより深く学ぶことができました。KLASの生徒たちの振る舞いから学ぶことができました。みなとても親切で、特にお互いを批判しないところが気に入りました。これは日本で経験することとはとても異なります。」

SILの最大の強みのひとつは、プロジェクトや旅行だけでなく、国際的な環境での生徒たちの日常的な交流にあったのかもしれません。食事を共にし、グループプロジェクトをいっしょに取り組み、各地を一緒に訪れる中で、全員がプログラム自体から学ぶのと同じくらい、互いから学ぶ機会を得ました。 SILは依然としてKLASの象徴的な体験であり、グローバルな友情と新たな視点が共に育まれる場です。

 

■KLASで過ごした最後の夏
12年生(高3)女子

私にとってKLAS最後のターム1。去年と最も異なったのは、寮の部屋にカナダと日本からの訪問生がいたことです。部屋ではできるだけ英語を使って、カナダの訪問生が不安にならないよう気をつけながら生活しました。そのおかげか、以前よりも英語の単語が自然に出てくるようになった気がします。授業でも訪問生と関わる機会が多く、本当に充実した夏になりました。

一番心に残っているのは、フィルムメイキングの授業です。名前の通り、撮影から編集まで全部自分たちで行います。最初の授業ではカットやショットの種類を学び、次からは本格的な撮影スタート。4週間でなんと3本の映画を作りました。映画作りではニュージーランドからの訪問生とペアになりました。最初はお互い少しぎこちなかったですが、話していくうちにどんどん仲良くなり、自分の英語が相手に伝わったときの嬉しさは今でも忘れられません。

彼女と話す中で、英語ってやっぱり楽しい!と心から感じました。日本、カナダ、ニュージーランド、タイと、いろんな国の友達と過ごした最後の夏は、私にとって本当にかけがえのない経験になりました。終わるのが寂しかったけど、それ以上に楽しい思い出でいっぱいの夏でした。