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10年生のショートブレイクトリップ

引率教諭 髙井 円

秋学期前のショートブレイク期間中に、10年生(高1)は恒例の宿泊旅行に出かけました。行き先は「アルプスの真珠」とも呼ばれる、スイス・ヴァレー州の山岳リゾート地サース・フェーです。その麓に位置する小さな村サース・グルントに滞在し、生徒たちは大自然に囲まれた環境の中で、仲間とともに挑戦と交流の3日間を過ごしました。

1日目
到着後、2グループに分かれて、さっそくヴィア・フェラータ(岩場に設置された鉄のワイヤーや梯子を使って登る登山ルート)に挑戦しました。ハーネスとヘルメットを身に着け、渓谷を進んだり岩壁をよじ登ったりする中で、当初は不安を口にする生徒もいましたが、互いに声を掛け合いながら励まし合い、最後までやり遂げることができました。終了後は達成感に満ちた表情が印象的でした。夕食後には体育館でドッジボールを行い、笑い声や歓声が響き、学年全体で楽しめる時間となりました。

2日目
この日はあいにくの雨となりましたが、午前中は宿泊施設内でチームビルディングアクティビティーに取り組みました。様々なゲームを通して互いに協力し合う中で、自然と打ち解け、協力し合う姿が多く見られました。午後は小さな施設でボルダリングに挑戦しました。生徒たちは慎重に壁を登りながらも楽しそうに取り組み、達成感を味わう姿が見られました。夕飯後はカラオケ大会です。照明を落としミラーボールが輝く雰囲気の中で歌声を響かせ、手拍子とともに大盛り上がりとなりました。

3日目
午前中は曇り空の中、最後のアクティビティとしてゴンドラで山頂へ向かい、マウンテンカートに挑戦しました。最初は緊張気味の生徒もいましたが、次第にスピード感を楽しみ、笑顔と歓声に包まれました。「この活動が一番楽しかった!」という声も多く、学年全体が一体となって盛り上がるひとときとなりました。昼食は旅行中で一番の快晴に恵まれた中でのBBQ。生徒たちはハンバーガーをおかわりしながら、美味しそうに頬張り、青空の下で和やかなひとときを過ごしました。

帰り際には、3日間お世話になったインストラクターとの別れを惜しむ生徒や「またスキーシーズンに訪れたい」と話す生徒もいました。短いながらも充実した3日間を通じて、学年としてのまとまりが感じられ、挑戦を通じて学ぶ機会となりました。



 

もう一歩飛び出して。
10年生(高1)男子

10年生トリップ。学年全員でスイス・サース・グルント(Saas-Grund)へ、2泊3日の短期旅行に出かけた。

KLASで初めての定期考査を乗り越えたご褒美とも言えるこの旅行は、その期待を大きく超える素晴らしいものだった。初日のヴィア•フェラータから始まり、2日目は夜遅くまでカラオケで盛り上がり、そして最終日には堂々「個人的楽しさランキング第1位」のマウンテンカートを体験することができた。時折天候に恵まれないこともあったが、それすらも思い出の一部となり、とても充実した楽しい3日間を過ごすことができた。

このトリップを“体験”という観点でまとめるなら今挙げた出来事が印象に残っている。しかし僕にとっては、もうひとつ別の意味があった。それが、この文章のタイトルにもなっている「もう一歩飛び出す」ということだ。
KLASに来るため、暮らし慣れた京都を飛び出したのが今年最初の大きな挑戦だった。未知の環境に飛び込み、待ち受ける楽しさや困難に期待と不安を抱えながら、僕は最初の一歩を踏み出した。

そしてそこからKLASでの生活にも少しずつ慣れてきた頃に迎えたこの10年生トリップは、僕にとって「さらにもう一歩」を踏み出す経験だった。寮やレザンの街とは違う、見知らぬ場所での2泊3日。引率もありスケジュールも決まっているので、さほど大きな挑戦とは言えないが、それでも確かにKLASでの暮らしからほんの少し飛び出した感覚があった。

「スイスで暮らす」という大きな一歩を超えて、さらにまた外の世界へ飛び出していく。この旅は、これから歩む人生のための「最初の最初の一歩」だったと強く感じている。