以下、生徒の感想をご紹介します。
■先入観と現実
12年生(高3)女子
今回の最後のヨーロッパ文化旅行で、私は初めてポルトガルにあるリスボンを訪れました。私がリスボンを行き先として選んだ理由の一つとしては、写真で見たような赤い屋根と白い壁の家が並ぶ美しい街並みを、自分の目で確かめたかったからです。素敵な光景を眺めることに期待を膨らませながら、私はリスボンへと向かいました。
しかし実際に足を運んでみると、私は自分が持っていたリスボンに対する先入観に気づきました。中心街は想像通りで、赤い屋根の高めの家が多い印象でしたが、全てが白い壁というわけではなく、淡い黄色や水色、緑などのパステルカラーで塗られた壁も見られ、中心街を離れると、「赤い屋根と白い壁」というイメージにとらわれない多様な建物が多く、至る所に落書きも見受けられました。この経験を通して、写真でしか知らなかったリスボンを実際に訪れたことで、物事を一方向からではなく、さまざまな角度から見ることの大切さを実感しました。
また、私がリスボンを訪れたかったもう一つの理由は、タイル美術館の見学やエッグタルト作りなどの体験型アクティビティに魅了されたからです。私が体験型アクティビティの好きな点は、現地で伝統的な芸術や料理を実際に作るという体験を通して学ぶという、話を聞くだけでは得られない、深い理解に繋げることができることです。実際、国立アズレージョ美術館へ行き、文化や宗教との深い関わり、時代ごとのタイルの用途の違いなどを学び、さらにはタイル作りも体験することができました。
この旅行中に私は、数名の友人と先生と一緒にバンクシー美術館を訪れました。バンクシーといえば、「風船と少女」で有名な落書きを中心としたアーティストであり、そのレプリカを実際に見ることができました。これまで私は、落書きに対してあまりいい印象を持っておらず、見る度にこれらはただの乱雑な絵であり、治安の悪さを思わせるものだと感じていました。しかし、美術館で様々な落書きを通して、アメリカやイギリス、さらにはウクライナの歴史や戦争、政治的背景を知り、それらをバンクシーがどのように受け止め、表現しているのかを学ぶことができました。この体験を通じて、落書きもれっきとした作品であり、その中には深い意味やメッセージが込められている物もあることに気づきました。そう考えると、リスボンは学びに溢れた街であると強く感じるようになりました。
この旅行を通して、実際に現地に足を運ぶことの大切さを改めて実感し、そのような貴重な機会が多くあるKLASで学べたことへの感謝の気持ちが、より一層深まるものとなりました。

■モダンと伝統が調和する街、プラハ
12年生(高3)女子
今回のプラハ旅行は、私にとって忘れられない素晴らしい体験となりました。街全体に歴史が息づいていて、どこを歩いても美しい景色に出会えるのが印象的でした。特に旧市街の石畳の道やゴシック様式の建物は、中世の雰囲気をそのまま残しており、とても魅力的でした。歴史と現代が調和している街並みは、新旧が見事に共存するプラハならではの魅力であると感じました。 旅行中は天気にも恵まれ、予報では雨続きのはずが、実際にはほとんどの日が晴天で、青空のもと観光を楽しむことができました。気温もちょうどよく、街歩きにはぴったりの気候でした。
プラハの食事も印象的で、美味しいものがたくさんありました。特に私のお気に入りは、地元のレストランで食べた辛いきのこのスープです。ピリッとした辛さときのこの旨みが絶妙で、旅の間に何度でも食べたくなる味でした。また、スイスと比べて物価が安かったため、気軽にいろいろな料理を試すことができたのも嬉しかったです。名物のチムニーケーキも見た目がとても可愛く、写真を撮るのが楽しかったのですが、実際に食べてみると甘さがかなり強く、少し食べにくかったので、一度で満足してしまいました。
観光だけでなく、歴史にも触れることができたのも貴重な経験でした。ナチスの収容所跡を訪れた際には、重く深い歴史を実感し、胸が締めつけられるような気持ちになりました。展示や資料を通して、過去の悲惨な出来事を学ぶことができ、平和の大切さについて考えるきっかけにもなりました。
そして何より、フリータイムにいろいろな人とグループを組んで一緒に回ることができたのが、とても楽しかったです。普段あまり話す機会のなかった人とも自然に会話が生まれ、観光を通して新たな交流ができたことは、この旅の中でも特に心に残っています。
美しい街並み、美味しい料理、歴史からの学び、そして素敵な人とのつながり。プラハは、私にとってたくさんの感動が詰まった、大切な思い出の場所になりました。機会があれば、またぜひ訪れたいと思います。
