The Hague International Model United Nations 2019(ハーグ国際模擬国連)
世界から集まった学生たちが、国連と同じ方式で世界の問題を討論する模擬国連。KLASはオランダ・ハーグで開催される模擬国連に毎年参加しています。今年は1月27日〜2月1日に開催され、KLASはアイスランドの代表を務めました。
本校のチームは、昨年夏から活動を始め、アイスランド、国連及び国連関連機関についての知識を取得するとともに、会議のテーマ「グローバル化した世界での労働」、そして担当する国際問題とアイスランドが互いにどのような影響を与えているかをリサーチし、諸問題について、アイスランドとしての方針声明を作成するなど、多くの準備が必要でした。
さらに、ハーグでは、全て英語で会議が行われるので、集めた情報を英語で使いこなせなければなりません。これらは膨大な作業で、毎年、生徒は皆、どんなに準備をしても、十分であったとは感じていません。それでも、全力を尽くして、難題に立ち向かい、この経験から貴重な何かを学んでくれたことを願っています。
■ 違う世界
11年生(高2)女子
ずっと待ち焦がれていた模擬国連の会場へ一歩踏み入れたその瞬間、私は別世界にいるのかと思いました。私はどこにいるのだろう、私は一体何者なのだろうと思いました。世界各国から集まって来た数え切れない数の人、飛び交う英語や違う言語にただただ驚きました。また、最初周りの人達が話す英語のスピードに追いついていけず、初日から、私がこんなにレベルが高いところに来て良かったのかと考えていました。
学校でたくさんのレポートやリサーチ学習をしてきた意味が、模擬国連の会場でやっと分かりました。私は、一つのテーマに絞り、それについて自分の意見をまとめ、リサーチをしていました。しかし、それはほんの常識の一部で、他の人たちにとっては小さなことだという事実を知らされました。
会議が始まった瞬間、私は模擬国連の英語のレベルの高さを感じました。自分のあまり優れていない能力を過信して、「自分はいける!これで世界を変えられる!」と思っていましたが、それは大きな間違いでした。周りの人達の努力と比べたら、私のやってきたことは、胸を張って頑張ったと言えるものではありませんでした。会議中ずっと、私は何を今までやっていたのだろうと感じ、またそれと同時に、 悔しさと後悔の念を覚えました。
このように、初日から鉄砲玉が体に当たったように打ちのめされましたが、会議中にたくさん幸せなこともありました。他校の女の子と友達になれたのです!その子はすごく優しく、私のスピードの遅い英語にも耳を傾けてくれ、とても感じの良い子でした。また、会議中に自分の意見を言ったり、同じ意見を持っている子と話をしたりして、すごく興味深い経験をすることができました。今でも連絡を取り合っており、私にとって貴重な思い出となっています。他にも、たまたま隣に居合わせた子と仲良くなったりして、国籍の違う人と同じ言語で議論することが私にとって新鮮でした。
模擬国連に行く前には、時間の無駄だとか、将来の役に立たないとか、そういうことを私に言ってきた人もいました。しかし、全く無駄なことはありません。模擬国連に参加して、英語を学びたいという気持ちが10年生の時よりも強くなり、どんな時でも恥ずかしがらずに英語で話そうと思うようになりました。
模擬国連に参加したことで自分に何が足りないのかがはっきりと分かり、その足りない技術をKLASでしっかりと高めようという新たな目標ができました。今回の模擬国連では、自分自身に満足できないことがたくさんありました。ですから、もう一度参加できるチャンスがあれば、今年の後悔を晴らすためにも挑戦したいです。
■ 二年目のMUNを経て…
12年生(高3)女子
模擬国連は世界各国の学生が集まり、世界問題について一週間討論します。この一週間のためにMUNメンバーは二週間に一回レポートを書き、ディベートの練習をし、世界情勢について学んできました。
今年は私にとって二年目のMUNでした。去年は本番で友達も満足にできなかったし、発言が聞き取れなかったことと、トピックについての情報の乏しさに後悔し、来年はやってやろうと思いました。実際、二年目のMUNは去年より比べ物にならないほど楽しく、充実していました。友達もでき、ディベート中発言もでき、会議の内容も理解することができ、いいことづくしでした。
しかしレポート制作は変わらず今年も大変でした。今年私は金融経済の世界問題にチャレンジしました。なぜなら大学で国際関係について学びたかったからです。それを見越して、12年生の選択科目で政治経済を選んでいたため、MUNのレポート作成に役に立つだろうと思いました。実際役に立ちましたが、討論されるトピックのところは授業ではまだ扱ってなかったので、まず自分のトピックを理解することが困難でした。
自分が金融経済を選んだのは間違いだったと何回も後悔しました。しかし、調べて学んでいけばいくほど面白くなり、毎回後悔しながらレポートを書いていたのは二年目の良い思い出です。学校の政治経済の授業を取っていたのと、レポート制作で調べたりしていたので、私にとってディベート内容を理解することは難しくなかったです。
また、今年のKLASのMUNメンバーも楽しかったですし、本番も楽しかったです。去年より後悔は少ないですが、やはり来年もチャンスがある11年生の後輩たちが羨ましいです。しかし、とても楽しく、MUNに参加できたことは誇りに思いますし、支えてくれた友達、先輩、後輩、先生、そして両親には感謝してもしきれません。二年目もやってよかったと心の底から思います。