本校では、夏学期、新入生に対してStudy Skills(学習技術)の講座を設けています。この講座においては、より効果的に学習を進めていくには、どのようなことに注意し、どのような姿勢で学習に臨んでいくべきかを伝えます。
国内の多くの学校では、勉強の仕方を体系的に指導することがないため、大学生であっても学習方法を知らないという問題が散見されています。このようなことから、昨今ではStudy Skillsに関しての様々な書物が出版されており、本講座においても以下に紹介する書籍を参考にしています。
まずは、日本の学校では耳にすることのなかった語彙、一方、本校では日常的に使われる学校生活上の英語として大事なものを列挙し解説します。そして、授業における姿勢、特にESL(English as a Second Language)の授業においては、積極的に発言していくことが重要であること、黙っていると学習内容を理解していない、もしくは授業に参加をしていないと見なされてしまう。「間違えたら恥ずかしい」、「出しゃばっているように思われたくない」というような気持ちを持っているとしたら、勇気を持ってその殻を破り、積極的に意見を述べていくことの必要性を説きます。
次に、学ぶための9つの力―「聴く」「読む」「調べる」「整理する」「まとめる」「書く」「表現する」「伝える」「考える」について、さらには、「授業前」「授業中」「授業後」の学習方法についての講義では、特に以下のことを強調します。
- スキミング(素早く文章全体に目を通して文章の大意を掴む)、スキャニング(読み方、意味のわからない語句を調べる)、クリティカルリーディング(自分の意見、感想を持って論旨の展開を掴む)による3段階の読み方。
- バインダーは、ディバイダー(仕切り)を使って科目ごとに区分して使用、受け取った印刷物は傍にファイリングしていく整理方法。
- ノートの取り方・レイアウト方法・ビジュアル化(マインドマップを紹介)、教科書・書籍へのマーキングの仕方。
- レポート・論文作成時、及びプレゼンテーション時の注意点・確認項目、引用と盗作の違い、正しい引用方法について解説。
- エビングハウスの忘却曲線(復習のタイミングが遅くなればなるほど、忘却の度合いが増えてしまう)を紹介し、学習内容の定着を図るためには、できるだけ早い時期の復習(時間がない場合にはノートを見返すだけでも有効)が如何に効果的であるかを解説。
その他、本校成績評価の仕方、単位の意味、GPA(評定平均値)、ESL-GPA(ESL科目の評定平均値)について説明をし、学習に対する動機付けの一つとします。
また、プログラム・科目選択及び進路選択についての説明では、どのような形で社会に貢献していきたいかを考えてもらうために、職業選択への情報を与え、これをもとに大学では何を学ぶべきか、学部選択を考える機会を与え、さらには、来年度のプログラムおよび科目選択の助けとなるように指導します。
もっと細かで、テクニカルなことは、さらに各教科での授業及び様々なガイダンスで捉えてもらいますが、Study Skills で学んだことをもとに、学習技術をしっかりと身につけて、本校での学習をより効果的に進めてほしいと思っています。
参考図書:
『大学生からのスタディ・スキルズ 知へのステップ』学習技術研究会編著 くろしお出版
『英米の大学で学ぶための技術 スタディー・スキルズ』M.J.ウォレス著 大修館書店
『レポート・論文・プレゼン スキルズ』 石坂春秋著 くろしお出版