寮生活・集団生活を通じた人間的成長

新入生にとって、他人と長期間寝食をともに生活をするのはほとんど初めてのことです。同じ道を歩んできた上級生は、相談されることを誇りに思い、新入生の気持ちに寄り添い共感しながら、優しく接します。また、本校には学年の上下を強調しない自然な人間関係を作る伝統があります。それでありながら、下級生は多くの経験をしてきた上級生に敬意と礼儀を持って接しています。このような良き伝統を引き継ぎながら、誰もが自主性や自立心を高め、たのもしく成長していきます。

寮は男女2棟に分かれ、各寮には専任の寮担当・指導教諭(寮父・寮母)が居住し、生徒の寮生活指導に当たります。寮父・寮母は、保護者のもとを離れて生活する生徒が心身ともに健全に過ごせるように、規則正しい生活習慣の維持に努めています。

また、食生活については専任の現地スタッフが調理を担当し、バランスのとれたメニューを提供しています。平日は朝食、昼食、夕食の1日3回、休日は朝昼兼用のブランチと夕食が提供され、メニューは日替わりで、すべてヨーロピアンスタイルです。日本食が恋しくなる生徒たちの要望に応えて、月一回程度日本食の日も設けています。

これまで自由気ままにできていた生活や、自分だけの空間を持っていた生活から、一転して友達と生活をする毎日を経験していきます。
子どもたちにとっては、大きな冒険であり、楽しいことばかりではないでしょう。初めはぶつかり合う価値観も、月日が経つにつれ次第に互いの価値観を受け入れ、度量の深い心、ちょっとしたことでは動じない心、コミュニケーション力、人間力が育まれていくのです。

卒業生誰もが、一番自分を大きく成長させてくれたと語ってくれるこの寮での生活。良い時ばかりではないけれども、子ども同士が、お互いに向き合い、話合って解決していくことで、見違えるほど大きく成長していきます。この寮生活を通して育まれるコミュニケーション能力、お互いの間の取り方、すぐに打ち解ける能力は、寝食をともにする3年間があるからです。