新学期に寄せて
校長 渡邉 博司
•新学期始まる
スイス公文学園高等部(KLAS)の新学期は、7月初旬、鮮やかなスイスの夏とともに始まりました。
まず6日、金曜に在校生が戻って来ました。6週間ほど見なかっただけなのに、顔つきが変わっている生徒が少なからずいます。その訳は、進級して期するものがあるからでしょうが、翌日、その顔がさらにキリッと見えたのは続いて入寮して来たカナダからの交換生と新入生のせいでした。
その土曜、最高学年となった12年生、はじめて下級生を迎える11年生は、やや興奮気味でした。カナダ交換生は日中に入寮し、早くに同室の生徒たちと打ち解けたようです。新入生は夜半24時、26時のレザン到着でした。待ち構えた在校生たちによって整然と荷物が運び込まれて真夜中の歓迎を受けると、今年のKLASの役者がすべて揃いました。
翌日から、慌ただしくも賑やかに諸行事が進み、新入生も在校生も新生活に慣れつつあります。今のところ天候にも恵まれ、新学期が順調に始まっています。
•ICU(国際基督教大学)への指定校推薦枠拡大
日本国内で高校→大学の接続をスムーズにする必要が指摘される中、「高大連携」がよく議論されるようになりました。
高大接続に関しては、本校では創立時(1990)より、次のようなPre-College Programに取り組んで来ました。
・AP (Advanced Placement):大学レベルの科目学習を高校生に提供するもので、アメリカ大学協会が内容と試験を規定する。本校では、今年2つのAP科目を履修・受験できる。
・SAP(Summer Abroad Program):一定の条件をクリアし、かつ希望する12年生は、本校のTerm1から離れて米英の大学によるサマーコースの授業を受けられる。
高大連携では、現在、次のことに取り組んでいます。
・早稲田大学高校生特別聴講制度:早稲田大学との連携プログラム。インターネットを活用して、早大が提供する科目を履修できる。
・ICU国際教養学部教授による出張講座
- 「平和の作り方」 毛利勝彦教授 2016年11月
- 「認知心理学」 森島泰則教授 2017年11月
ICUはリベラルアーツ・プログラムの日本における草分け的な存在で、戦後すぐから英語と日本語における教養主義の教育を追求して来た大学です。一方、KLASはバイリンガル教育を基盤に、思考力や表現力をめざすGlobal Issues(国際時事問題)などの統合的な科目にも取り組んでおり、両校はよく相似しています。
そんな中、KLAS→ICUで学んだ生徒・学生はよく伸びていることが認められており、両校ではアカデミックな相性の良さをさらにその教育に生かそうと、2016年にICU-KLAS高大連携協定が結ばれています。
この連携にもとづいて、本校はICU指定校推薦入試の対象校に指定されています。このたび、この連携のさらなる強化のために、推薦枠を1名から2名に拡大されることになりました。
KLASでは、今後とも、Pre-College Programの充実と個別大学との有効な連携の強化に努めていきたいと存じます。