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宮脇 一嘉さん Kazuyoshi Miyawaki ― 1期生 ―

スイス公文学園高等部(KLAS)で学び、現在、様々な業界で活躍されている卒業生にお話をうかがうコーナーです。 3年間のスイスでの学園生活を振り返っていただき、率直なところを語っていただきます。

宮脇 一嘉さん Kazuyoshi Miyawaki  1期生

1974年生まれ 姫路出身。1993年、スイス公文学園高等部卒業。1998年大阪大学理学部化学科卒業。2000年大阪大学大学院博士前期課程修了。工業ガス製造会社(フランス駐在)、国内製薬会社部長を経て、現在フリーで企業の技術アドバイザーとして活躍中。


~KLAS is spices for my life.~


 

Q:スイス公文学園高等部に進学されたきっかけは?

A:中学3年生の時に、自宅にダイレクトメールが届き、小2~通い続けていた公文が高校を海外に作るということを知り、なんとなく海外への憧れ、興味もあり、あまり深く考えずに「親にこんな面白そうな学校ができるみたいで、何とかして行かせてほしい…」と相談。色々と両親を説得して、一期生として入学することができました。

Q:開校一期生ということで、実際に行ってみてどうでしたか?

A:一期生なので、先輩もいない・後輩もいない。生徒も先生も手探りで一緒に作り上げていった感じでした。ルールなども、集団生活をしていく上で、何が大切かを生徒同士で話し合い、一から創り上げていきました。今もそれが、「自主」・「自律」ということが校風となって残っていっています。30年近くたった今、伝統となり、生徒たちが主体的になって活動する風土になっていったことは嬉しく思います。

また、教員と生徒の関係も非常に近く、教員でもあり、親のような存在でもあり、同志でもあるといった感じでしたし、今も変わっていないと思います。

Q:スイスで学んだことはどんなことですか?

A:一つは、世界どこに行っても何とかなるよね…というハートの強さ。

当時は、今のようにネットで気軽に検索できるような時代でもなく、情報を得るために現地の人に聞いたり、自分の足で動いたりと、自分から行動しなければならない時代でもありました。 それは、今も異国の地で生活する後輩も、日本では経験しないようなチャレンジをして、「何とかなる」という自信をつけていると感じています。

二つ目は、人間関係を構築する力、コミュニケーション力。

共同生活を行っていくためには、ルール作りのための話し合うことも多くあり、他人との距離感、バランス感覚が身についたと思います。特に、四六時中他人と一緒に生活しているので、今まであまり気にしなかったことが、気になったり、あるいは自分がこれまで当たり前だと思っていた概念が崩れて、当たり前の幅が自然と広がっていくことがあったりと人間的に大きく成長させてくれたと思います。

三つ目は、自分を律する力がついたこと。

大学も海外の大学に行きたかったのですが、日本の大学なら国立と決めていたこともあり、毎日2時間のスタディーホールは受験勉強をすると決め、宿題は帰寮後の自由時間にすぐ終らせることを心掛けていました。帰国後も半年予備校に通って、一日18時間近く勉強しました。それも、すべて自分自身で選んだ道という思いが突き動かしたんだと思います。

Q:今振り返って、高校から海外に出た意味とは?

A:色々な刺激の刺さり方が、10代後半と20代以降に経験するのでは、大きく違うと思います。 言葉でなかなか表現しづらいですが、文化や歴史に対する印象・感覚は、直接感じた分、十分に理解していなくても自分自身の心に強く残っています。

Q:これからスイス公文学園高等部を目指す中学生・保護者に向けてのメッセージをお願いします。

A:KLASでの3年間は、色々な意味で視野が広がるチャンスであり、今後の人生のスパイス、アクセントになる経験だと思います。KLASには、自分がやりたいと思えば、やれるチャンスがたくさんあり、それをつかむのもただ眺めているのも自分次第です。そう言うと、おとなしい子には不向きに聞こえるかもしれませんが、最後に頼れるのは自分自身なので、周りの雰囲気にも押されて日本での自分とは見違えるように成長できると思います。

また、海外駐在を経て思うことは、英語力ももちろん大切ですが、KLASで培った「人間力」「自分自身の考えをしっかりと持つこと」「チャレンジすること」が何より大切なことを最後にお伝えしたいと思います。