サマー・アブロード・プログラム(SAP)とエクスチェンジ・プログラム
SAP(サマー・アブロード・プログラム)は、夏期休暇となる6月からターム1の終了までの約3か月間を利用して、アメリカなどの英語圏にある大学の夏学期プログラムで学習するプログラムです。レベル・内容・目的・期間は大学によって違うため、参加する生徒は自分の将来のことや興味あることを考えて申込みます。今年は11名の12年生(高3)が参加しました。
エクスチェンジ・プログラムはカナダのウィニペグにある高校と1997年から実施されています。今年の夏もカナダの生徒をレザンに迎え、KLASの生徒たちは、同年代の人々と英語で話す時間を持つことができました。またカナダの生徒たちも帰国するときには「KLASは学校であるだけでなく私達の”Home“だ」と言ってくれます。KLASの生徒たちは彼らの帰国と同時にカナダへ向かい、3週間のホームステイをスポーツや文化交流とともに楽しみました。
それぞれのプログラムに参加した生徒の経験や感想をご紹介します。
■SAP体験記 12年生(高3)女子
Hi! What's up? Today, I'm gonna be writing about what I experienced in Boston, Massachusetts. こんな感じでアメリカ気分が抜けてない私ですが、今回私が海の向こう側で何を学んできたかについて書きたいと思います。
私がこの夏を過ごしたボストン市は計50校以上の大学が集う学園都市です。私は最初の2週間を語学学校で過ごし 、そのあとにMassachusetts College of Art and Design、通称マスアートという大学の4週間のプログラムに参加したので、計6週間の間アメリカに滞在しました。語学学校での授業はあまり印象に残るものではなく、休憩中や放課後にできた友達たちと一緒に話したり出掛けたりする時間の方がとても新鮮で英語の勉強にもなりました。
マスアート大学は2000から3000人ほどの生徒が通っているアメリカでは小規模の枠に入る大学です。私はそこでPainting from observationという油絵のコースを取りました。最初の3週間は2D Fundamental, 3D Fundamentalそして Issues and Images という3種類のクラスがありました。2D Fundamentalは言葉の通り、平面的なポートフォリオ、つまりデッサンやプリントメイキング、美術モデルを見ながらのクイックスケッチなどをしました。3D Fundamentalでは、 美術モデルの方を観察しながら人体模型のようなものを粘土で作ったり、石膏でフィンガーフード、つまり手や指で何かしらの食べ物を石膏で作ったり、ダンボールで動物の模型を作ったりしました。
Issues and Imagesのクラスは課外授業がほとんどで、ボストンにあるあらゆる美術館を巡りました。3週間後にこの3つのコースは終わり、油絵のコースが始まりました。そこでは、色々なものをモチーフにしながら描き、作品ごとに先生や他の生徒からコメントをもらっていました。合計で15人ほどがこのコースに参加しており、私以外に他に3人中国から来た人たちがいましたが、他の人たちのほとんどはボストン出身だったので、毎日が同年代のネイティブの人達に囲まれた生活でした。話すスピードはもちろん、ルームメイトと同級生達に恵まれていたので、不思議と辛いと思うことや、日本に帰りたいと思うことはなく、むしろできるだけ長く彼らと過ごしたいと思っていました。
このプログラム中に、アメリカ人と日本人の物事に対する価値観の違い、特にLGBTQに対する考え方の違いに改めて気づかされました。ある日曜日に、友人の家に何人かで遊びにいき、くつろいでいる時にクラスメイトのトランスジェンダーの男の子の話になりました。私はそもそもトランスジェンダー、ましてゲイやレズビアンの日本人に会ったことすらなかったので、そのこと自体に驚いていたのですが、彼女達にとっては当たり前のことだったらしく、その子をHeかSheのどちらで話せばいいのかについて話していました(その子はまだ性別を変えてあまり日が経っておらずはっきりと区別しにくかったのです)。その時にある子が“全然聞かないけど、日本にはそういう 人たちっているの?”という質問を私にしました。“いるけど彼らは隠していると思う。話したらいじめられるから。”と私は答えました。
これがアメリカと日本の違いです。自分のままでいても他人から何も言われないのがアメリカ、自分でいようとするのが少し難しい日本。このようなことは書物を通して知ることはいくらでもできるでしょうが、実際に経験するのとではまるで違います 。考え方が固まってしまう前の多感な時期にこそ他文化に触れ、いろんな考えを知ることで自分の視野も開けていくでしょう。そのことについてよく考えることができた留学でした。
最後になりますが、今回の留学にあたってご尽力してくださった Socias先生、 大学を紹介してくださったDriscoll先生、 色々なアドバイスをくださったマスアート大学のMs. Lebret そして両親に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
■エクスチェンジプログラムで過ごした最高の夏 12年生(高3)女子
私はKLASで過ごす最後の夏を最高に楽しむことができました。なぜなら、エクスチェンジプログラムに参加したからです。私がこのプログラムに参加しようと思ったきっかけは主に2つありました。まず1つ目は、私が10年生の時、私の同室にカナダからの交換生がいたことです。10年生ということもあり、初めての海外での生活に対する不安や英語にも自信がなく、初めは会話をするのもやっとの事でしたが、彼女はとても優しく私に英語で会話することの楽しさを教えてくれた存在でした。
それから少しずつこのエクスチェンジプログラムに興味を持つようになりました。そして2つ目のきっかけは私が11年生の時に同室の先輩がエクスチェンジプログラムに参加していたことです。毎日のようにカナダからの交換生との楽しかった出来事や面白かったこと、様々な話を聞く機会がありました。そして「12年生になったらKLASで過ごす最後の夏をカナダの交換生と楽しみたい!」と決心しました。
そして7月6日からターム1の4週間とカナダのウィニペグで過ごす3週間のエクスチェンジプログラムが始まりました。ターム1はカナダからの交換生と一緒に授業を受けたり、毎週土曜日に日帰り旅行に出かけたり、スタディーホールが終わったら一緒にラーメンを食べたり、レマン湖にみんなで泳ぎに行ったり、水風船をして遊んだりと数え切れないほどの素晴らしい時間をカナダの交換生と過ごすことができました。 時にはパートナーとのコミュニケーションが難しい時もありました。彼女がホームシックになってしまった時は英語を使ってどのように支えてあげることができるのか悩んだこともありました。しかしそのような経験から様々なことを学ぶことができたと思います。
8月4日からは待ちに待ったカナダでの生活が始まりました。空港で私のパートナーのホストマザーが温かく出迎えてくれました。ウィニペグに到着した翌日から早速みんなでバーベキューをしたり、週末には動物園や野球場に行ったり、たくさんの面白いイベントを用意してくださっていました。その中でも私の一番印象に残った思い出はキャンピングをしたことです。大自然の中で過ごした2日間はとても新鮮で、野生の鹿に会うことができたり、早朝に起きてビーチへ朝日を見に行ったりと、スイスではなかなか味わうことができない体験をすることができました。
最後に、私はこのプログラムに参加して様々な新しい体験をし、学び、それと同時に英語を使って話すことの楽しさを改めて知ることができました。また、スイスで過ごす夏とは一味違った、一生の宝物になるような最高の夏を過ごすことができ、 このような素晴らしいプログラムに参加できたことをとても嬉しく思います。